小型車だけに課せられる「街の景色」というデザインのハードル

デザイン

今日のお話は、もう20年位前の話で恐縮なんですが、まあ、許して下さいw

当時の私は音楽やりながら社会人をやってました。
職種はハイジュエリーのプロダクトマネージャー。
(時々デザインも描いてましたw)

当時師匠だった方が元マツダのデザインチーム出身だった事もあって、いろんな界隈のインダストリアルデザイナーの方々とお会いする事が出来ました。
その時の経験は、今でも私の大切な財産です〜

で、その時のお話を思い出しながら書いてみたいと思います。

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今では街に溢れるクルマのほとんどが、タクシーの様なトランクを持ったセダン型ではない時代です。

1990年代、日本で主に売れていた車は「カローラ」を始めとするそんなセダン型だったんですよ。
でもヨーロッパではBセグメントを中心に、小型で汎用性に優れた「5ドアハッチバック型」が主流でした。

当時の日本市場ではハッチバックは「営業車みたい」と敬遠され、売れても若者向けのスポーツタイプの3ドアハッチバック。そしてこの頃、ちょっとカッコいい営業車な「ステーションワゴン」や、街乗りオフローダーな「CR-V」が発売されて人気を博したりしていた時代でした。

今思えばトヨタはこの時既に「ヴィッツ」の開発が進んでいたんでしょうね。
日産K11マーチのヒットがあったとはいえ、凄いなぁ。。。

yarisが発表された時は結構驚きでした。。。

当時お会いした幾人かの自動車の開発の方々がよく仰っていたのが
「小型車はクルマだけをデザインするわけではないんだよ」って事です。

小型車は贅沢品というより「日常の道具」の側面が強いクルマです。
中型、大型車に比べると販売台数も桁違い。

つまり、「小型車をデザインする事は街の景色をデザインする事」なんだそうです。

いろんなデータはあるけれど、ノリは「来るべき未来の予言者」らしいですw

流行、ライフスタイル、景気なども考慮し、「いかに街に溶け込むか」「見ているだけで元気になるデザイン」「どんな色がいいのか」など、自動車本体のデザイン以外の事も相当考慮するみたいです。

また、小型車は販売価格、原価などもとってもハードルが高いそうです。
部品点数も2万点とか3万点とか。。。
ひとつのプラットフォームで何種類もの派生車種も作らねばならない。

なんだかすごいですね。。。

でも、営業サイドからは「今の空気」から来る感想ばかり。
未来を見据えたチャレンジを通すのは至極困難だったんでしょうね。
「新しいこと」は叩かれますもんw

あの時代、みなさんがあんなに「企画通すのが大変!」って言っていた5ドアハッチバックも、今では当たりまえ。(あんなに「日本には合わない!」って言われていたのにw)

みなさんも可愛い小型車を見た際、ちょっと今のお話を思い出して頂けると面白いかもしれませんよね。

なんて事をちょっと思い出しちゃいました5月の夕方でした。

また明日から音楽ネタにもチャレンジして参りますね〜♪

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