折しも本日のニュースで、イランとサウジアラビアの国交が断絶。
その他の国々もサウジに追従し、イランが国際的に孤立する流れになっております。
ロイター1月4日付
「イラン、サウジの断交発表を非難 「緊張高める口実探している」」
そんな中、先日「独裁者と小さな孫」という映画を観て参りました。
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この映画「独裁者と小さな孫」は、ある架空の国のお話です。
独裁者がクーデターによって地位を追われ、身分を隠して逃げて行くストーリーが、ロードムービーの手法で淡々と、時に派手なアクションシーンなどを交えて描かれています。
絵のコントラストやトーン、カット割りのリズムなどに関して言えば、どっちかって言うとメジャー系の匂いも感じます。
そう言う意味では誰もが見やすい映画だと思います。
観客の緊張感を最後まで緩める事無く、緩急付けて最後まで引っ張る構成は、本当にマフマルバフ監督は「天才」なんだと思わずにはいられません。
・実は取っ付き易い映画です。
マフマルバフ監督が伝えたかったテーマはとてもハッキリしています。
ストーリーも構成も、とてもシンプルです。
(あらすじなどに関してはググれば幾らでも出てきますので、興味がございましたら是非調べてみて下さい。)
話を複雑に何重にも織り込む事無く、最後まで一本の道で語って進んで行きます。
でも全てが丁寧に作られている為か、観ている方はどんどん魂を主人公に同化させられてしまいます。
主人公が旅を進めるなかで、客観的に自分の所行と向き合って行く様は、なかなかな地獄です。
この映画は、私たちには中々想像もつかない事を伝えてくれます。
でも、宗教や経済的な違いは関係なく共通する事実の幾つかが
・憎しみは連鎖する。
・大衆は恐怖が原因で流されて行く。
・独裁の源も、実は恐怖である。
少なくともこの3点を、観客全てに伝えてくれていると、私は感じました。
もしお時間ございましたら是非、映画館でご鑑賞下さい。
必ず何かを持ち帰れると思います。
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