先日、幕張メッセで開催されていたINTER BEEという業務用音響、放送機器の展示会に行ってきました。
メインでチェックしたのは音響機器。
といっても楽器店や通販で買えるようなものではなく、ライブ会場などに使用する機器ですので、普段皆様が目にするようなものはちょっとしかございません。
音響関係では、とにかくデジタルコンソールの展示が非常に多かったです。
前回よりも、更に多くなってました。
いわゆる1000人以上のライブハウスで使うようなものだけではなく、もっと小さいデジタルミキサーもかなり増えてました。
これはYAMAHAさんのCL5、隠れヒット商品ですね。
でも音響系よりも映像関係の方が(やっぱり)賑やかでした。
昨年もたくさん展示されていました、8Kなどの巨大高精細ディスププレー。
今回もでででーんとあちこちのブースに展開されておりました。
とにかく圧倒されるんです。
細かいところまでハッキリ映る。
それも拡大されて、肌にうっすら滲んだ汗とかも見える。
葉っぱそれぞれ、一葉一葉の葉脈や水滴まで見える。
でも、なんだか凄く違和感を感じました。
そこで離れて巨大な画面を見ることにしました。
そうしたら、朧げですが違和感の理由が分かりました。
「奥行き感」と「空気感」が違和感の理由でした。
どんなに高精細で巨大なスクリーンになっても、何故か絵が平面に見えます。
奥行き感を感じてもらう為に、とにかくレンズの絞りをコントロールしなければならないのは、最近のデジカメなどで、やたらと「ボケ」を強調するのと同じです。
みんな足りないのをうっすらと自覚しているから、そういうニーズがあるのかもしれません(あくまで推論ですが)
空気感に関しても然り。
最近は簡単にスマホでライブ動画を配信できますので、私もちょっと実験してみました。
確かに絵も音も、昔に比べれば高いレベルで簡単に記録、配信出来ます。
でも(いい言葉が見つかりませんが)会場の空気が高まる感じや、異常に時間が早く過ぎ去る空気は決して記録、配信されません。
20世紀後半から始まったメディアのディジタル化によるメリットは非常に大きいと思います。
劣化せずにコンパクトにデータを蓄積できる、膨大なデータに容易にアクセス出来る事で私もたくさんのメリットを享受しています。
でも「リアル」で「アナログ」なものが持っている魅力は、ゼロと1の記録では、まだまだ平面でしか捉える事が出来ないのかもしれません。
その場で流れてしまうからこその刹那。
タイムスリップでもしないと再び出会う事が出来ない刹那。
だからこそのライブの魅力を、まさか巨大な8Kモニターで感じるとは思いませんでした。
音楽も一緒です。
いくらハイレゾでハイビットで記録出来ても、アナログに比べて空気の揺れを再生する事が難しいのは、関係者の方なら痛切に感じていらっしゃると思います。
あっちを立てればこっちが立たず。
まだまだ「リアル」には敵わない。
だからこそ、ひとつひとつの音に命を込めて皆様にお届け出来るよう、全身全霊で取り組んでいかねばならない。
わたしにとっては、そんな事を感じた幕張でした。
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