バンドに於けるサウンドメイキングで、一番難しいのは低音域だといつも感じて仕事をしております。
他の音域には無い、低音の性質として「指向性の問題」が挙げられます。
高い音域は音の進む「指向性」がはっきりしているので、スピーカーの向きに対して素直に飛んでいきます。
音域が高くなればなるほど、指向性はキツくなります。
逆に音域が低くなれば成る程、指向性はドンドン甘くなります。
よく「5.1ch」とかのスピーカーシステムで用意されている「サブウーファー」。
設置方法に関してはだいたい「てきとーにどうぞ」って書いてある事が多いです。
スピーカーが小さくなれば再生される低音域は「少なく感じる」ので、迫力を出す為にそのようなスーパーウーファーで低音域を「増やしてあげる」訳です。
低域は指向性が甘いので、結構シビアじゃなくてもイケチャうんですよね〜
これ、音楽を気軽に「聴く」時には全く問題がないんですが、こと楽器演奏に関しては、かなり厄介な問題なんです。
低音域を発生させるのは、あくまで「演奏者」。
楽器や機材類は、それを「増幅させる」ためのアイテムと考えて下さい。
演奏者が楽器を奏でる際に技術不足で機材に頼って「低域を増幅」してしまうと、ぶにょぶにょした空気の波がそのまま増幅されちゃって、いつも現場はもう大変なんです。
NUDE CABLEの新アイテム「NAKED」も、現場の皆さんからの低域に関するリクエストから生まれました。 |
これを少しでも解決する為に、ミュージシャンは普段から
「はっきりとした低音域を聴く事を意識する」ことをおススメします。
今、あなたが日頃使用している音楽鑑賞のシステムは
「バスドラムのアクセントとベースラインがはっきりと聴き取れる」状態ですか?
もし、ただ「ぼー」って聴こえているだけなら是非改善して下さい。
まずは意識を変え、日常を変える事で
「低音域に対する意識」をアップグレードしましょう。
そうやって知れば、自ずと自分の目指す方向が見えると思います。
世の中には無数の素晴らしい音楽が日々作られ、また残されております。
自分がどういうサウンドで、どう演奏したら良いかは、そんな先人達の音楽に沢山詰まっております。
と言う訳で、音楽を「発信する側」の人々はまず、
「低音域の量ではなく質」
を意識してみてはいかがでしょうか?
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